営業開発部 Sさん
- 2025年10月9日

今回の社員インタビューはファシリティ事業部 営業開発部のSさんに、担当している積算業務のことや、仕事において心掛けていることなどをお聞きしました。
(※内容は取材当時のものです。)
――Sさんの所属と担当業務を教えてください。

営業開発部で、工事価格の見積金額を算出する「積算」の業務をしています。
――研冷工業に入社した理由やきっかけを教えてください。

以前はフリーランスで図面作成の仕事をしていました。
あるとき研冷工業から声を掛けてもらい、図面作成や積算を手伝うようになりました。当初は社外の立場で仕事を依頼してもらう形で、社内の積算担当の二人と一緒に積算業務に取り組んでいました。
少しずつ積算の精度は上がって落札できる数も増えましたが、コミュニケーション面で上手く連携できず、思うように結果につながらないこともあり、社外から支援するという関わり方では限界があると感じるようになりました。
もっと近い距離で深く関わって若手を育てていきたいと思うようになり、入社させてもらいました。
――これまでのキャリアについても教えてください。

18歳から45年間、他社で設備工事の施工管理や積算の仕事をしてきました。
研冷工業とは現場が一緒になることも多く、会社員時代から顔見知りの関係でした。
退職後はフリーランスとして図面作成の仕事をしていました。
――現場も積算も、どちらもされていたんですね。

当時勤めていた会社では、初めはとにかく現場を経験して工事のことを学びます。その後、5~10年ほど経験を積んだ後に積算も任されます。そして自分の積算した工事を受注できたら、そのままその工事を担当するという流れでした。
だから、いつまでも受注できないと現場に出られず、会社に残されてしまうんですよ。
――工事で忙しくなるのも大変ですが、受注できないのも焦りを感じてしまいそうですね。

そうなんです。周りがどんどん工事を受注して現場に繰り出していくのに、自分だけが会社に残されるような状況は、かなり焦りますよね (笑)
――社内で競争のようになっていたんですね。

そうそう、まさに競争でしたね。
そうした環境には良し悪しあると思いますが、自己研鑽のモチベーションにはなりましたね。
受注するには積算の精度を高めるしかないので、自主的に勉強をして知識をつけていきました。
――積算をやっていて「ここがツラい!」と思うところは、どんなところですか?

やっぱり、どんなに頑張っても、いくら惜しくても、落札できなければ1円にもならないところですね。
昔に比べると今はどこの会社も積算の精度が高くなっています。
最低制限価格(※工事ごとに設定される入札価格の下限)ぴったりの金額で入札しても、同じ金額で入札する会社が何社もいて、最後は同率1位の会社のなかでクジ引きで決めるという、運勝負になることも多いです。仕方ありませんが、そこもツラいところですね。
――一方で、面白いと思えるところや、やりがいを感じられるところはどんなところですか?

面白いのは、やっぱり落札できたときですね。
あとは、積算チームの若手2人が成長していくのが見て取れることが嬉しいです。
2人が作ったものをチェックしていると、理解が深まっているのが分かります。
――仕事におけるコミュニケーションで心掛けていることや、気を付けていることはありますか。

お客様に「この人に任せて大丈夫だろうか?」と不安に思わせないことを心掛けています。
例えば質問をいただいたとき、完璧な答えが出せなくても曖昧なことは言わず、まずは分かる範囲で自信を持ってお答えする。それを一次回答として伝えたうえで「専門業者と協議して、改めて詳細にご説明します」とするようにしています。
――なるほど。そのために必要なことは何だと思いますか?

広い分野について基礎的な知識を幅広く持っておくことが大切です。
この仕事は空調、衛生、消火設備など幅広い知識が求められますが、すべてを深く学ぶのは難しいです。
高度な専門性が必要な場面では協力業者さんに力を貸してもらい、直接お客様と接する私たちは、全体を見渡せる基礎知識を持っておくことが必要だと思います。
――社内のコミュニケーションにおいて心掛けていることはありますか?

若手にものを教える際に、「それ、このあいだ教えたろ?」みたいなことは言わないように意識しています。つい、口から出そうになることもありますけど(笑)
――萎縮してしまわないようにですか?

そうですね。年齢が離れているから、壁を作ってしまうと質問をしづらくなるでしょう。分からないことを分からないままにされると、教える側としても困るので、言葉遣いに気を付けています。
――Sさんの立ち振る舞いを見ていると、潔い性格の人だと感じます。私は何か失敗してしまったとき内心、未練がましいことを考えてしまいがちです。そういったときの気持ちの切り替え方について、何か意識していることはありますか。

私はあまりくよくよしない性格ですからね。家に帰ったら忘れる(笑)
それが必ずしも良いことでもないとは思うけど。
失敗してしまったものは仕方がないし、過ぎた事に拘っていても仕方ないんだから、前を向いて、これからどう対処するかを考えるしかないと思います。
――仰るとおりですね。見習いたいと思います。

あ、でもね、入札で負けてしまったときは、ああすれば良かった、こうすれば良かったって思ってしまいますよ。一発勝負で、取り返しようがないからね。
特に、入札金額をA案とB案の2択まで絞って外したときは、その日は寝られないくらい悔しいですよ(笑)
――Sさんがこの仕事を長く続けてこられた理由は何だと思いますか。

この仕事が好きだからですね。
現場に出ていたときは、公共工事の出来栄えに点数がつくので、自分の成績として残ります。良い点数が取れれば自信にもつながり、面白さを感じていました。
積算も同じで、落札できたときの喜びが大きいので続けられています。特に、普段から積算の上手ないくつかの会社を指標にしているのですが、その競合を抑えて落札できたときは格別に嬉しいですね。
――つらい時期はあまりなかったですか?

私が若い頃は公共工事の点数を高得点で取っても、制度として具体的なメリットがほとんどありませんでした。
だから品質は合格ラインを超えていれば良いとされ、とにかく数をこなすことに力を注いでいたんです。その結果、一つひとつの工事にじっくり取り組むことができず、評価されたり褒められたりする機会も少なく、やりがいは感じにくい時期でしたね。
――確かにその状況では、会社としてはそれが合理的と判断してしまいますね。

ところが、ある時から工事成績が総合評価方式(※)の入札の評価項目に組み込まれるようになりました。会社にとって高得点を取ることが明確なメリットとなり、数をこなすやり方から、一つひとつの工事で良い点数を取ろうという方向に変わっていったんです。
それ以降は、自分の仕事が評価に直結する実感が持てるようになり、やりがいも強く感じられるようになりました。
(※入札価格の評価だけではなく、過去の工事成績や表彰、社会貢献活動などを含めて落札者を決定する方式)
――Sさんご自身についても聞かせてください。趣味や凝っているものはありますか。

城が好きで、実際に観に行ったり、歴史を勉強したりしています。
――書籍などを読んで勉強されているんですか?

学習塾がやっているYoutubeチャンネルの動画を、学校で使われる教科書を開きながら観ています。
――堅実な勉強方法ですね!実際に全国のお城に行くこともあるんですか。

「日本100名城」というのがあって、今まで40城くらい見てきました。
先日の連休を貰ったときに、また5箇所ほど巡ってきましたよ。いつか100城達成したいですね。
――最後に、Sさんの座右の銘を教えてください。

「努力に勝る天才なし」です。
例えばこの積算の仕事は、ポッと出の天才でできるものではないです。
人に教えようと思うと、知識の整理も必要になってくるので、勉強しなおしているところです。
この先もずっと勉強が必要なんだろうなと思います。
Sさん、ご協力ありがとうございました!